かつてビルを初めとした建築工事の材料として用いられたアスベストは現在では利用が禁止されてます。保温断熱や防音材、スレート材、ブレーキパッドなど様々な用途に使われてきたこの素材は体内に侵入すると悪性中皮腫や肺線維症といった病を引き起こすとされます。石綿とも呼ばれるこの物質の繊維は人間の髪の毛の直径よりもとても細いことで空中に浮遊しやすく、肺胞に沈着しやすい性質を持ちます。それに加えてこの繊維は丈夫で変化しにくい特徴を持ち、これが長期間滞留することで肺に大きな負担がかかり病発症へと繋がると言われてます。

2006年頃、法改正によりアスベストの利用は禁じられましたがそれ以前の建築物の構造体にこの物質が使われてる場合があります。特に1960年代が利用のピークとされ、1988年より前の家やビルは含有の可能性が高く専門の業者に検査依頼をすることをおすすめします。またスレートやセメント瓦と呼ばれる屋根の素材にも用いられたこともあり、ビルの所有者など建物管理をしてる人は気をつけましょう。アスベストによる病を疑う場合、医療機関では胸部X線検査やCT検査、腹部CTなどを行い要因を探します。

建物内の石綿を調査する場合は設計図を利用し、建築当時の材料や工法を参考に有無を判断する第1次スクリーニングを行います。この調査で結果が分からない場合は調査員が現場に向かい目視でしよう有無を確認する第2次スクリーニングの後、建材の一部を分析し客観的なアスベストの含有を判断します。