アスベスト分析は、事前調査ではアスベストの特定が困難な際に実施されるもので、最初に行われるのが建材スクリーニングです。設計図書や建材データベースを比較して、建造物の種別や使用されている建材料の製造年度・商品名などからアスベストの含有が疑われる建材の有無を調べます。スクリーニングは現地調査を行う前段階で石綿の含有個所に見当をつけ見落としを予防するための書面を使った方法で、施工記録や改修工事記録、維持保全記録など設計図書を使い確認する作業です。建材スクリーニングの後に、一般住宅や集合住宅など建築物の種別・使用建築材料の製造年度・天井および壁などの位置から、石綿の含有が疑われる建材の有無を検討する流れで行います。

現地で外壁・内壁・天井・床・屋根・煙突など、それぞれの建材および吹き付け材料の目視調査を実施し、石綿の使用が疑われる個所は採取・分析が必要です。主に、スクリーニングでアスベストの含有が疑われている部分、詳細が不明な場所を中心に建物全体を目視確認で使用の有無を調べ、使用されていることが疑われる個所は柔らかい材料は約10平方メール程度、硬い材料は100平方センチメートル程度、それぞれ3か所を目安にサンプルの採取を行います。このサンプルを使用してアスベストの有無を調べる定性分析、具体的な含有率を測定する定量分析で行います。なお、定性は管理している建造物の価値を判断したいとき、定量は石綿の含有が確認される場合に行われるものです。